特集 消化管出血のマネジメントが変わっている? ―最新情報と診療の実際
2.各論(1)食道・胃静脈瘤出血に対する治療ストラテジー
引地 拓人
1
,
中村 純
1
,
加藤 恒孝
1
,
橋本 陽
1
,
栁田 拓実
1
,
高木 忠之
2
1福島県立医科大学附属病院内視鏡診療部
2福島県立医科大学医学部消化器内科学講座
キーワード:
食道静脈瘤
,
胃静脈瘤
,
内視鏡的硬化療法
,
内視鏡的静脈瘤結紮術
,
内視鏡的胃静脈瘤組織接着剤注入術
Keyword:
食道静脈瘤
,
胃静脈瘤
,
内視鏡的硬化療法
,
内視鏡的静脈瘤結紮術
,
内視鏡的胃静脈瘤組織接着剤注入術
pp.1369-1380
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002805
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門脈圧亢進症患者において,下部食道や胃上部などの消化管に静脈瘤が高頻度で発生する.さらに,消化管静脈瘤出血患者では,背景に肝硬変症がある場合,出血を契機に肝不全が増悪することがある.一方,消化性潰瘍などの出血が「非静脈瘤出血」として静脈瘤出血と区別されているように,一般的な消化管出血と異なる治療法を選択する必要がある.すなわち,食道静脈瘤出血では内視鏡的静脈瘤結紮術や内視鏡的硬化療法,胃静脈瘤出血では内視鏡的組織接着剤注入術の治療法を理解し,習熟しておく必要がある.大出血で内視鏡の視野確保が困難である場合を想定し,バルーンでの圧迫止血の準備も重要である.食道静脈瘤および胃静脈瘤からの出血患者の治療は,患者の全身状態,内視鏡的な視野確保は可能であるかを考慮したうえで,治療ストラテジーを立てる必要がある.
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