Transition & History
アルコール依存症治療の歴史を振り返る
橋本 隆
1
1医療法人社団信和会高嶺病院理事長
pp.56-59
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.03.02_0056-0059
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「山口県宇部市にアルコール依存症治療の専門病院を開設し33年」私のアルコール依存症治療の歴史は、ほとんど病院の開設と同時に始まった。正確に言えば開業数年前の準備期間から始まったということになる。当院は山口県西部の瀬戸内海側に位置する宇部市に、アルコール依存症の専門治療を行う病院として1982年3月に開設した。病床数109床、職員27名からスタートし、1987年には127床に増床、職員は現在106名まで増加している。外来患者数は1日72~73名、2014年の入院患者数は延べ277名であり、そのほとんどがアルコール依存症患者である。2005年にはデイケアを行うのに手狭になったことから現在の地(山口県宇部市大字善和)に新築移転した(写真1)。市街地から離れた緑豊かな環境で、7,700坪という広大な敷地内には、運動会や盆踊りを行えるグラウンドや、体育館を併設したデイケア棟を備え、患者はスポーツや園芸、陶芸など社会復帰へ向けたさまざまな訓練を行うことができる(写真2)。
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