特集 基礎と臨床から炎症性腸疾患を診る
炎症性腸疾患の発症機序を知る ③腸内細菌:dysbiosisは炎症性腸疾患の病態において原因か? 結果か?
岡 明彦
1
1島根大学医学部内科学講座(内科学第二) 助教
キーワード:
プロバイオティクス
,
Live Biotherapeutic Product(LBP)
,
糞便移植
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
Keyword:
プロバイオティクス
,
Live Biotherapeutic Product(LBP)
,
糞便移植
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
pp.21-26
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.11_0021-0026
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腸内細菌は1,000種類以上,100兆個存在し,その遺伝子の数は宿主であるわれわれの100倍以上であり,「忘れられた臓器」とも呼ばれている1)-5)。何らかの原因で,この腸内細菌の構成菌種に偏りがみられる現象をdysbiosisと呼び,近年,炎症性腸疾患(inflammatory bowel syndrome:IBD)をはじめアレルギー疾患やメタボリックシンドローム,悪性腫瘍,精神疾患など,さまざまな疾患との関連が注目されている6)。なかでもIBDは腸内細菌をターゲットとした新規治療薬が開発進行中であり5),腸内細菌を理解することは疾患の病態のみならず治療においても必要不可欠となった5)-7)。本稿では,IBDの病態における腸内細菌の関与について,最新の知見を交えて概説する。「KEY WORDS」プロバイオティクス,Live Biotherapeutic Product(LBP),糞便移植,潰瘍性大腸炎,クローン病
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