特集 パーキンソン病診療update
パーキンソン病の動物モデル
上村 紀仁
1
1京都大学大学院医学研究科臨床神経学
キーワード:
パーキンソン病
,
動物モデル
Keyword:
パーキンソン病
,
動物モデル
pp.25-29
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.07_0025-0029
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「はじめに」動物モデルは,疾患の病態解明と新規治療法開発のため必要不可欠である。これにはいわゆる先制医療の確立も含まれる。パーキンソン病(Parkinson's disease;PD)においては発症時にすでに黒質ドパミン神経細胞が50%以上脱落していることが報告されており1),新規バイオマーカーによる超早期診断と進行抑制の確立が望まれる。しかし,PDの病態を忠実に再現した動物モデルはいまだに作製されておらず,PDの克服に大きな障害となっている。PD動物モデルに求められることとしては,①ドパミン反応性の運動機能障害,②進行性のドパミン神経細胞死,③神経細胞内αシヌクレイン(α-synuclein;α-Syn)凝集体(Lewy小体),があげられる。これまでPD研究においては,さまざまな動物種に対し,大きく分けて薬剤投与モデルと遺伝子改変モデルが作製されてきた。本稿では,まずおのおの動物種の特徴を概説し,代表的な薬剤投与モデルと遺伝子改変モデルについて述べる。「KEY WORDS」パーキンソン病,動物モデル
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