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特集 大腿骨近位部骨折のリハビリテーション診療
第5章 大腿骨近位部骨折に関するリハビリテーション治療
大腿骨近位部骨折のリハビリテーション治療と地域連携パス
Rehabilitation and Liaison Critical Pathway for Hip Fracture Surgery
前田 智
1
Satoshi Maeda
1
1国立病院機構熊本医療センター整形外科
キーワード:
大腿骨近位部骨折
,
地域連携パス
,
骨粗鬆症
,
二次性骨折予防継続管理料
Keyword:
大腿骨近位部骨折
,
地域連携パス
,
骨粗鬆症
,
二次性骨折予防継続管理料
pp.750-756
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr034070750
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内容のポイント Q&A
Q1 大腿骨近位部骨折の地域連携診療計画管理料にかかわる地域連携パスとは?
2006年度の診療報酬改定で地域連携パスにインセンティブがつく形で「地域連携診療計画管理料」(入院時)と「地域連携診療計画退院時指導料」(退院時)が新設された.当初は大腿骨頚部骨折のみを対象としたものだったが,2008年度改定で脳卒中が対象疾患に加えられた.2016年度改定においてこれらは「地域連携診療計画加算」に再編された.大腿骨近位部骨折治療における地域連携パスは,診療報酬にも大きく影響を与える存在であったといえる.
Q2 地域連携パスの運用方法は?
2004年運用開始当時から地域連携パスは電子化されたものを準備しており,会員制ホームページでデータベースファイルを共有していた.運用方法は時代とともに変化を続け,現在は熊本県地域医療等情報ネットワーク「くまもとメディカルネットワーク」にオンラインで入力可能なデータベースを置き,これを運用する形をとっている.対応が難しい連携施設では紙パスでの連携も併用している.
Q3 地域連携パスにより,どのような点が改善されるのか?
複数の急性期病院から患者を受け入れる転院先の病院では,紹介元の医師からの指示とは異なる医療が施されてしまう可能性が高い.地域連携パスを上手く利用することにより,急性期,回復期双方の医療機関で患者の入院期間の全体像が把握できる.また,定期的な会合,検討会を継続していくことで,骨折手術手技,術後のリハビリテーション,患者退院支援等において医療の標準化が期待できる.

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