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特集 大腿骨近位部骨折のリハビリテーション診療
第5章 大腿骨近位部骨折に関するリハビリテーション治療
大腿骨近位部骨折の生命予後と機能予後に影響を与える因子
The Factors Influencing Mortality and Functional Prognosis in Proximal Femoral Fractures
酒井 良忠
1
Yoshitada Sakai
1
1神戸大学大学院医学研究科リハビリテーション機能回復学
キーワード:
大腿骨近位部骨折
,
生命予後
,
機能予後
,
ADL
Keyword:
大腿骨近位部骨折
,
生命予後
,
機能予後
,
ADL
pp.744-749
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr034070744
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内容のポイント Q&A
Q1 大腿骨近位部骨折の生命予後と,それに影響を与える因子は?
大腿骨近位部骨折を受傷すると死亡率は上昇し,1年後の累積死亡率はわが国では10%程度である.生命予後に影響を与える因子としては,高齢,男性,やせ,骨折前の低身体機能,サルコペニア,フレイル,認知症,せん妄,併存疾患,低栄養等が挙げられる.
Q2 大腿骨近位部骨折の機能予後と,それに影響を与える因子は?
大腿骨近位部骨折を受傷すると,適切な手術や後療法を行っても骨折前の歩行能力やADLを獲得できるとは限らない.歩行自立者でも骨折を発症した場合,1年後に歩行自立できている患者は半数以下との報告もある.機能予後に影響を与える因子としては,高齢,骨折前の低身体機能,サルコペニア,フレイル,低握力,認知症,せん妄,うつ,併存疾患,パーキンソン病,ビタミンD低値,低栄養等が挙げられている.

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