Japanese
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特集 痙縮治療最前線
第2章 併用療法
上肢痙縮に対する作業療法
Occupational therapy for upper limb spasticity
竹川 徹
1
,
鈴木 翔太
2
,
田口 健介
3
Toru Takekawa
1
,
Shota Suzuki
2
,
Kensuke KensukeTaguchi
3
1千葉県立保健医療大学,東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
2医療法人鳳生会成田病院リハビリテーション科
3東京慈恵会医科大学附属柏病院リハビリテーション科
キーワード:
筋痙縮
,
作業療法
,
Botulinum Toxins
,
併用療法
,
小児
Keyword:
筋痙縮
,
作業療法
,
Botulinum Toxins
,
併用療法
,
小児
pp.1313-1319
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033131313
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内容のポイント Q&A
Q1 上肢だけでなく姿勢や動作で評価するポイントは?
強い痙縮による非対称的な姿勢(肩の高さの左右差,体幹の麻痺側への傾き,骨盤の傾き等)の他,上肢痙縮と,立位や座位での足部の位置,膝関節や足関節,足趾の可動域制限等との関係を考慮する.評価の際には安静時の筋緊張だけでなく,動作時の筋緊張の変化や,痙縮が起居動作とADLに与える影響を確認する.また,環境の影響も考慮する必要がある.
Q2 治療手段にはどのようなものがあるか?
上肢痙縮の治療手段には,運動療法,ROM訓練,筋力強化,ADL訓練等がある.テーピング,装具療法は機能向上に,ボツリヌス療法は痙縮軽減に,スプリント,装具療法は筋の伸張に,電気刺激療法,振動刺激療法,磁気刺激療法,体外衝撃波治療,バーチャル・リアリティ機器は,痙縮や麻痺に効果的である.ロボット支援療法は時間節約に有効である.また,痙縮軽減効果を高めるために温熱療法を実施することもある.
Q3 痙縮軽減効果を高めるために日常生活でできる自主トレーニングや手の管理方法は?
自主トレーニングでは,ストレッチ,ROM訓練を指導する.随意性が高い場合は,日常生活で麻痺側上肢と手の使用機会を増やすよう指導する.他には体全体をリラックスする方法や痙縮筋の収縮を促す動作を避ける指導をする.指導の際には自主訓練の目標や意義を患者と共有し,ハンドブックやプリントを用いて,自主トレーニングが日常生活に定着するように工夫する.自己管理が困難な場合は,家族指導や介護サービスとの連携が重要となる.
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