Japanese
English
特集 痙縮治療最前線
第2章 併用療法
痙縮に対するITB療法と併用療法
ITB therapy and combination therapy for spasticity
内山 卓也
1
Takuya Uchiyama
1
1近畿大学医学部脳神経外科
キーワード:
spasticity
,
intrathecal baclofen
,
botulinum toxin
,
combination therapy
Keyword:
spasticity
,
intrathecal baclofen
,
botulinum toxin
,
combination therapy
pp.1320-1327
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033131320
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
内容のポイント Q&A
Q1 痙縮に対するITB療法の判断と治療の流れは?
ITB療法には疾患特異性はなく,さまざまな疾患の痙縮に適応することができる.ITB療法はポンプによる薬剤髄腔内投与であり,調節性に優れた治療法でもある.
術前にスクリーニングテストを行うことによってITB療法の効果を確かめた後にポンプ植込み術を行う.亜急性期から慢性期まで,いずれの時期にも症状を見逃さず治療に結びつけることが重要である.
Q2 発現部位や重症度を考慮したITB療法の適応は?
痙縮が多節性または全身性で,上肢と下肢の両方,下肢のみ,下肢と背部および腹部の両側性痙縮に対して,ITB療法を適応する.
歩行可能な痙性対麻痺患者に対しては,痙縮を緩和し過ぎると歩行が困難となるために,バクロフェンの投与量は比較的少量でコントロールされることが多い.
Q3 発現部位や重症度を考慮した併用療法の戦略は?
ボツリヌス療法は局所性の痙縮に,ITB療法は全身性の痙縮に有効であるが,ボツリヌス療法の最大投与量で治療目標に達しなかった場合には,ITB療法への変更を行う.また,ITB療法のみで治療目標に達しなかった場合にボツリヌス療法を併用する.
ボツリヌス療法は3カ月に1回の施注時に用量調整を行う.一方,ITB療法は患者の状態に合わせてその都度細かく用量調整が可能である点等,それぞれの治療特性を活かした併用療法が重要である.
Copyright© 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.