Japanese
English
特集 多職種による痙縮治療
片麻痺上肢の痙縮治療—作業療法士の立場から
The role of occupational therapists in the treatment of spasticity in the hemiplegic upper extremities
阿部 薫
1
,
川上 途行
2
Kaoru Abe
1
,
Michiyuki Kawakami
2
1慶應義塾大学病院リハビリテーション科
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
片麻痺上肢
,
痙縮
,
作業療法
Keyword:
片麻痺上肢
,
痙縮
,
作業療法
pp.631-635
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201986
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
間欠的,もしくは不随意に持続する筋活動である痙縮は,運動機能のみならず日常生活動作(activities of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL)にも影響を及ぼすリハビリテーションの阻害因子である.痙縮の合併頻度は,脳卒中発症後の時間経過とともに増加し,発症後6か月までのいずれの時期においても報告され1,2)急性期から生活期を通して脳卒中患者の痙縮コントロールは重要である.
痙縮の治療では,単一の治療法を行うだけでは満足な効果を得ることは難しい.また,痙縮の治療がリハビリテーションのすべての問題を解決するわけではない.痙縮治療では,どのような治療法を組み合わせるという治療法の選択や痙縮の治療でどこまで改善を図るかといった目標の設定が重要であり,多職種による検討が必要となる.作業療法士(以下,OT)は,痙縮治療にかかわるチーム医療の一翼として,麻痺側上肢やADL・QOLにおける痙縮治療の担い手や治療の支援者としての役割発揮が求められる.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.