Japanese
English
特集 痙縮治療最前線
第2章 併用療法
下肢痙縮に対する理学療法
Physiotherapy for Spasticity
大畑 光司
1
Koji Ohata
1
1北陸大学健康未来社会実装センター
キーワード:
理学療法
,
痙縮
,
筋の過剰活動
,
不動
,
廃用
Keyword:
理学療法
,
痙縮
,
筋の過剰活動
,
不動
,
廃用
pp.1282-1286
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033131282
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内容のポイント Q&A
Q1 痙縮によるADLや生活への影響にはどのようなものがあるか?
痙縮を単に「伸張反射の亢進現象」としてとらえると,ADLや生活への影響はほとんどない.しかし「筋の不随意活動」としてとらえると,片麻痺姿勢や反射過敏等も含めて日常生活に影響することになる.痙縮は日常生活における歩行や姿勢等の基本動作に影響し,痛みや拘縮,筋力低下を引き起こす可能性があり,リハビリテーションの効果を制限する.
Q2 痙縮に対する治療手段にはどのようなものがあるか?
痙縮に対する理学療法には,痙縮軽減に対する補助的治療としての電気刺激(TENS,NMES),痙縮による不動や廃用に対するレジスタンストレーニングや自転車エルゴメータ等が挙げられる.一般的に行われるストレッチやポジショニングは,何もしない状態よりもよいが,十分な改善が得られるとは限らない.痙縮に対する理学療法の重要な点は筋の不動化や廃用を防ぐことにあり,よりアクティブなトレーニングが求められる.
Q3 痙縮が軽減できる期間を延長するために日常生活でできる自主トレーニングは?
痙縮による運動は痙縮による直接的なものであっても,それに対する代償的なものであっても,反復によってその運動の異常性は固定してしまう可能性がある.最も重要な点は,まず痙縮によって生じる運動異常の特性を評価することであり,それに応じて痙縮による治療を考える必要がある.ボツリヌス療法等の治療とともに患者の個別の運動異常に応じて運動再学習させる自主トレーニングを指導することが求められる.
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