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特集 痙縮治療最前線
第2章 併用療法
装具療法との併用療法
Spasticity treatment combined with others
勝谷 将史
1
Masashi Katsutani
1
1医療法人社団西宮協立リハビリテーション病院
キーワード:
痙縮
,
装具
,
制動力
,
筋電
,
運動療法
Keyword:
痙縮
,
装具
,
制動力
,
筋電
,
運動療法
pp.1274-1281
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033131274
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内容のポイント Q&A
Q1 痙縮に対する装具療法にはどのようなものがあるか?
痙縮に対する装具療法には,痙縮による筋肉の過剰な収縮を抑制し疼痛緩和や拘縮の予防・改善を目的とするもの,装具そのものの矯正力により痙縮によるアライメントの異常を矯正し即時的なパフォーマンスを改善するもの,適切なアライメントへの矯正により異常な筋活動を制御し運動学習による機能改善を目的とするものがある.
Q2 発現部位や重症度を考慮した装具の選定と装具の変更は?
一般的に痙縮が発現し連合反応や屈筋共同運動パターンを呈するBrunnstrom Recovery Stage(BRS)Ⅱ~Ⅲでは痙縮筋を伸張位に保持し,持続伸張を図る装具が適応される.BRS Ⅲ~Ⅳでは回復の過程で徐々に分離運動が出現するため,痙縮による異常な筋緊張を制御しながら随意運動を阻害しない装具の選定や,重症度の改善とともに制動力を段階的にゆるめていく必要があるため,調節性のある継手の選択が重要となる.
Q3 発現部位や重症度を考慮した併用療法の戦略は?
痙縮の発現を予防するためには痙縮増悪の要因となる不活動を予防し,適切なアライメントへの矯正により異常な筋活動を制御し運動学習による機能改善を図る.そのためには動作時の筋電をモニタリングし適切な装具を用いる.また,既に痙縮が発現し異常な筋活動を伴う場合は装具だけでなく,ボツリヌス療法や拡散型圧力波,その他物理療法を装具療法と併用することで痙縮治療を行う.
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