Japanese
English
特集 多職種による痙縮治療
片麻痺下肢の痙縮治療—理学療法士の立場から
Treatment for hemiplegic lower limb spasticity: from the viewpoint of physical therapist
谷川 広樹
1
,
大塚 圭
1
,
向野 雅彦
2
Hiroki Tanikawa
1
,
Kei Ohtsuka
1
,
Masahiko Mukaino
2
1藤田医科大学保健衛生学部リハビリテーション学科
2藤田医科大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
1Faculty of Rehabilitation, School of Health Sciences, Fujita Health University
2Department of Rehabilitation Medicine Ⅰ, Fujita Health University
キーワード:
痙縮
,
定量的評価
,
iQMoS
,
物理療法
,
運動療法
Keyword:
痙縮
,
定量的評価
,
iQMoS
,
物理療法
,
運動療法
pp.637-642
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201987
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はじめに
痙縮は多くの中枢神経疾患患者に認められ,初発の脳卒中患者においては30%に出現する1)とも報告されており,理学療法の対象となることが多い病態である.痙縮は上位運動ニューロン症候群の1つで,伸張反射増強の結果として深部腱反射亢進を伴って生じる,他動伸張時の速度依存性筋緊張亢進2)である.痙縮の主症状は,筋緊張の亢進である.筋緊張の亢進は,下肢筋に麻痺を呈している場合,立位の安定性に寄与するとの見解もあるが,おおむね随意運動を阻害し,日常生活のさまざまな活動に影響を及ぼすため,理学療法では痙縮の軽減を図る.
本稿では,痙縮に対する理学療法の評価と治療に関して,筆者らの研究結果をふまえ解説する.
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