Japanese
English
特集 痙縮と固縮
痙縮に対する薬物療法
Drug Therapy for Spasticity.
安藤 一也
1
Kazuya Ando
1
1岐阜県立多治見病院神経内科
1Director. Dept. of Neurology, Gifu Prefectural Tajimi Hospital.
キーワード:
痙縮
,
痙性麻痺
,
筋弛緩剤
,
Dantrolene sodium
,
Baclofen
Keyword:
痙縮
,
痙性麻痺
,
筋弛緩剤
,
Dantrolene sodium
,
Baclofen
pp.819-828
発行日 1975年10月10日
Published Date 1975/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103413
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はじめに
Parkinsonismの固縮に対しては従来からの抗コリン剤に加えてamantadineやl-DOPAが出現して画期的な治療効果をあげうるようになったが,痙縮に対して的確な効果のある薬物の開発はかなり遅れている.diazepamやcloxazolamなどの抗不安薬はかなり強い筋弛緩作用をもっているが,鎮静,催眠作用のため十分の量を使用できず,現在市販されている筋弛緩剤の中ではもっともすぐれているTolperisone hydrochloride(Muscalm)も昨用が緩和で,強い痙縮に対してはそれほど期待できない.最近,米国で末梢性筋弛緩剤であるDantrolene sodiumが,スイスと本邦で中枢性筋弛緩剤であるBaclofenが開発され,かなり強力な筋弛緩作用がみとめられている.
ここでは臨床的にみた痙縮の特徴,痙縮と痙性麻痺の関係について述べ,痙縮を減少させる薬物につき概説し,痙性麻痺の薬物療法として主要な3つの筋弛緩剤について述べる.とくに新しい筋弛緩剤であるDantrolene sodiumとBaclofenについては筆者の治験成績を加えて説明する.
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