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特集 障害者のかかりつけ医としての包括的リハビリテーション診療
脳性麻痺患者のかかりつけ医としての包括的リハビリテーション診療
Comprehensive rehabilitation practice as a family doctor for patients with cerebral palsy
小﨑 慶介
1
Keisuke Kosaki
1
1心身障害児総合医療療育センター
キーワード:
脳性麻痺
,
小児リハビリテーション(療育)施設
,
痙縮
,
移行期医療
Keyword:
脳性麻痺
,
小児リハビリテーション(療育)施設
,
痙縮
,
移行期医療
pp.953-958
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033100953
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内容のポイント Q&A
Q1 かかりつけ医としての診察のポイントは?
神経生理学的側面(麻痺,痙縮,不随意運動等),運動学的側面(関節可動域,筋力,移動能力,身体巧緻性等),補装具の適合状況,日常生活における自立の程度,通園・通学・通所・通勤等の社会参加状況,家庭状況等,多角的な情報を収集し,その能力,状況の変化についても鋭敏にとらえ,新たな課題が生じていないか探ることが求められる.課題解決のため,必要に応じ,他の医療・教育・福祉機関への働きかけも行う.
Œ2 機能維持のためのポイントは?
粗大運動機能障害の重度な児では,早期からの機能低下の可能性を念頭において,家族との機能予後の見通しを共有し,適切な量の運動トレーニングと並行して,適切な種類の補装具・支援機器の導入を適切な時期に検討する.特に各種合併症や体調不良等による急性期病院への入院治療中の不動状態に起因する退院後の機能低下に留意する.
Q3 注意すべき二次障害とその対応は?
粗大運動障害が重度な症例では,関節の拘縮・変形,脊柱変形,続発生骨粗鬆症が頻繁にみられる.その結果,易骨折,褥瘡発生,換気障害,消化管通過障害等を生じる可能性がある.運動障害が軽度ないし中等度の症例では,運動機会の乏しさに起因する糖代謝障害や脂質代謝異常症がみられることがあり,定期的なモニタリングを要する.
Q4 かかりつけ医として知っておくべき薬物管理・医学的管理は?
二次障害を引き起こす大きな要因となっている痙縮に対する各種治療の特性を把握しておくことが望ましい.特に,内服薬やボツリヌス毒素療法は,外来ベースの診療でも十分実施可能であるが,適応と限界を理解しておく必要がある.
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