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内容のポイント Q&A
Q1 かかりつけ医としての診察のポイントは?
機能維持のための定期的評価と医学的管理,二次障害の評価と医学的管理・指導を行う必要がある.障害の評価にはASIAの神経学的機能評価を用い,ADLにはFIMやSCIMを用い,社会参加の状況は就労・就学状況,地域活動への参加状況,障害者スポーツへの参加状況を確認し,排尿・排便障害は管理方法,薬物使用状況等を確認し,これに対応していくことが重要である.
Q2 機能維持のためのポイントは?
脊髄損傷患者は歩行障害や車椅子,電動車椅子の生活となるため麻痺に伴う廃用症候群の予防が必要である.日常生活における運動量が通常より低下することが多いため,体力の維持・向上に努めることが必要である.脊髄損傷患者は肥満傾向となることため,メタボリックシンドローム予防を行うことが必要となる.機能維持のためには何らかの手段で運動療法等のリハビリテーションを継続して行う必要がある.
Q3 注意すべき二次障害とその対応は?
自律神経過反射は感覚障害が重度の場合,腹痛等他に急性腹症を疑う症状がなく,急性腹症の可能性を常に頭におく必要がある.車椅子操作時の背面・座面との動的接触に伴う剪断力で褥瘡を生じることが多く,車椅子操作を確認し,褥瘡を生じにくい動作を指導する必要がある.慢性期の脊髄損傷患者の約2/3の患者で疼痛を伴い,受傷後3〜6カ月の時点で神経障害性疹痛があるとその痛みは3〜5年間続く傾向がある.
Q4 かかりつけ医として知っておくべき薬物管理・医学的管理は?
ITB療法は脊髄損傷患者の重度痙縮に対して,バクロフェンを髄腔内に持続的に直接投与する治療である.ボツリヌス療法は比較的軽度の痙縮患者,ITB療法を選択しない患者が適応となる.疼痛に対する薬物管理では神経障害性疼痛薬物療法ガイドラインでプレガバリン,ミロガバリンが第一選択薬となっている.経肛門的洗腸療法とは,経肛門的に直腸内へカテーテルを挿入し,微温湯を注入して便秘や便失禁を改善させる治療法である.
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