痙直型脳性麻痺児に対する選択的脊髄後根切断術および理学療法の効果—術前後のGMFM-66 percentileの比較

Changing of motor function after selective dorsal rhizotomy in children with cerebral palsy—compared with GMFM-66 percentile

要旨　目的：選択的脊髄後根切断術（selective dorsal rhizotomy；SDR）前後の運動能力の変化を客観的に捉え，その効果を確認する．方法：対象は埼玉県立小児医療センターでSDRおよび理学療法を受けた10例（平均年齢5.0±1.0）．粗大運動能力評価尺度66〔Gross Motor Function Measure（GMFM）-66〕，GMFM-66 percentile（percentile），関節可動域（range of motion；ROM）の値を術前後で比較した．Percentileは20ポイント以上の変化をカットオフ値とした．統計処理は統計ソフトR2.8.1を使用した．結果：Percentileは術後2〜5年の間に7名中4名で改善を認めた．GMFM-66，ROMともに術前後で有意差を認め改善した．下肢伸展位挙上（straight leg raising；SLR）では術前と術後1年で有意差を認めたが術前と術後2か月では有意差を認めなかった．重篤な術後合併症は認めなかった．まとめ：SDRおよび理学療法により，運動能力の改善が認められた．今後も慎重な適応判断と，術後の理学療法を継続して提供していきたい．