Japanese
English
特集 誤嚥性肺炎とリハビリテーション
第1章 誤嚥性肺炎の予防
誤嚥性肺炎予防のための嚥下機能評価法:簡易検査
A Simple Method of Swallowing Function Test for the Prevention of Aspiration Pneumonia
寺本 信嗣
1
,
渡邉 敬康
2
Shinji Teramoto
1
,
Takayasu Watanabe
2
1志木南口クリニック
2順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学
キーワード:
誤嚥性肺炎
,
不顕性誤嚥
,
唾液反復嚥下試験
,
水飲み検査
,
簡易嚥下誘発試験
Keyword:
誤嚥性肺炎
,
不顕性誤嚥
,
唾液反復嚥下試験
,
水飲み検査
,
簡易嚥下誘発試験
pp.628-634
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033070628
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
内容のポイント Q&A
Q1 嚥下機能評価法の目的と評価法の分類は?
嚥下機能評価法は,摂食嚥下機能の把握を目的とする方法と,誤嚥リスクの把握を目的とする誤嚥リスク評価に分かれている.
Q2 誤嚥性肺炎の発症メカニズムを理解することの重要性とは?
胃の逆流誤嚥によるメンデルソン症候群を除けば,口腔内内容物の夜間の微量誤嚥(不顕性誤嚥)の結果生じる明らかな誤嚥は,誤嚥性肺炎発症の必要条件になるが十分ではない(顕性誤嚥でも肺炎とならない場合がある).
Q3 誤嚥性肺炎の診断における簡易検査の意義は?
誤嚥性肺炎は,嚥下障害または顕性誤嚥の確認と肺炎の診断の2つが必要である.肺炎患者においては,まず嚥下障害の有無を把握する.この場合,嚥下造影検査をはじめとする精密検査は実行できないので,ベッドサイドでもできる簡易嚥下機能評価が重要である.また,誤嚥性肺炎を生じる患者のリスク評価も精密検査の必要はなく,簡易検査で十分である.
Q4 簡易嚥下機能評価方法は?
反復唾液嚥下テスト,飲水試験(水飲み検査)が簡便でエビデンスも多い.肺炎に特化したものとして,簡易嚥下誘発試験があり,特異度も高く,意識の悪い患者にも施行できるので応用範囲が広い.
Copyright© 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.