Japanese
English
特集 誤嚥性肺炎の呼吸・嚥下リハビリテーション
誤嚥性肺炎後の嚥下評価とリハビリテーション
Evaluation of dysphagia and swallowing rehabilitation after aspiration pneumonia
北條 京子
1
,
藤島 一郎
2
Kyoko Houjou
1
,
Ichiro Fujishima
2
1浜松市リハビリテーション病院リハビリテーション部
2浜松市リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Seirei Hamamatsu City Rehabilitation Hospital
キーワード:
誤嚥性肺炎
,
嚥下造影
,
嚥下内視鏡
,
silent aspiration
,
不顕性誤嚥
Keyword:
誤嚥性肺炎
,
嚥下造影
,
嚥下内視鏡
,
silent aspiration
,
不顕性誤嚥
pp.105-113
発行日 2015年2月10日
Published Date 2015/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200131
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はじめに
超高齢社会となった現在,肺炎は脳血管疾患を抜いて日本人の死因順位3位となっており,そのうち半数以上が誤嚥性肺炎によるものとされている1).誤嚥性肺炎患者に嚥下リハビリテーションを提供する機会はさらに増えていくことが予想されるが,加齢による予備能や免疫力の低下により,単なる嚥下訓練だけでは十分な改善は得られにくいなどの問題がある.
誤嚥性肺炎発症に関連する因子としては患者側因子と誤嚥因子に分けられる(図1).患者側の因子として脳卒中などの急性疾患により意識障害や嚥下障害を来すなど明らかなオンセットがある場合と徐々に嚥下障害が進行し肺炎発症により気づかれる場合とがある.前者については,疾患の改善により機能回復が見込まれれば嚥下機能についても段階的摂食訓練などにより比較的早期に改善が期待できるケースも多い.しかし,後者については,背景に全身状態の悪化や臥床による体力低下,免疫機能や呼吸予備能の低下がある.嚥下障害についての自覚が乏しいことも多い.入院前の摂食状況などを確認すると,以前から食事中にむせていた,摂食量が落ちていたということが判明して,もともと嚥下障害があったと思われることもよくみられる.つまり,発症前から低栄養や廃用による機能低下がある患者に対しての嚥下リハビリテーションについての対応が必要となる.
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