Japanese
English
特集 誤嚥性肺炎と不顕性誤嚥
誤嚥性肺炎の疫学
Prevalence of aspiration pneumonia.
山脇 正永
1
Masanaga Yamawaki
1
1東京医科歯科大学医学部臨床教育研修センター/神経内科
1Department of Professional Development, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
誤嚥性肺炎
,
嚥下障害
,
不顕性誤嚥
,
横断調査
Keyword:
誤嚥性肺炎
,
嚥下障害
,
不顕性誤嚥
,
横断調査
pp.105-109
発行日 2009年2月10日
Published Date 2009/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101438
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はじめに
「食べる」という行為には,身体的・生理的な面だけでなく,心理的・社会的・文化的側面があり,嚥下障害は生活の質(quality of life;QOL)を考えるうえで非常に重要な状態である.嚥下障害は患者の栄養状態に直接関与し,窒息や誤嚥性肺炎を引き起こすなど,生命予後に影響を与えるが,嚥下障害,誤嚥性肺炎が医療コスト面にもたらす影響も大きい.米国では,誤嚥性肺炎による入院1回当たりの在院日数は21~40日で,医療費は9,460~33,430ドルであると算出されており1),わが国でも医療経済,予防医学の面からの対策は重要である.しかし,国内外を通じて嚥下障害および誤嚥性肺炎の疫学的な知見はまだ断片的である.
本稿では,現在までに得られている誤嚥性肺炎および不顕性誤嚥の知見を,われわれの調査結果も含めて紹介する.
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