連載 イチから学び直す医療統計・第20講(最終回)
多変量メタアナリシス
長島 健悟
1
,
宮﨑 直己
2
,
佐藤 泰憲
3
Kengo NAGASHIMA
1
,
Naoki MIYAZAKI
2
,
Yasunori SATO
3
1慶應義塾大学病院臨床研究推進センター生物統計部門
2がん研究会有明病院先進がん治療開発センターデータサイエンス部
3慶應義塾大学医学部生物統計学
キーワード:
多変量メタアナリシス
,
診断法のメタアナリシス
,
ネットワークメタアナリシス
,
ベイズ推測
Keyword:
多変量メタアナリシス
,
診断法のメタアナリシス
,
ネットワークメタアナリシス
,
ベイズ推測
pp.683-692
発行日 2025年11月22日
Published Date 2025/11/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295080683
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多変量メタアナリシスは,複数の相関するアウトカムや比較を統計的に統合する手法である.従来の単変量メタアナリシスは単一のアウトカムを対象とするため,アウトカム間・比較間の相関情報を活用できない.臨床現場では,複数の評価指標や3つ以上の治療法を同時に評価する必要がある場面が多く,相関を考慮した統合により推定精度と一貫性の向上が期待できる.本稿では,多変量メタアナリシスの基本概念を概説し,代表的な応用例として,感度と特異度を同時に評価する診断法のメタアナリシスと,複数の治療法を網羅的に比較するネットワークメタアナリシスについて取り上げる.各手法について,モデル化,結果の解釈,仮定と感度分析,ならびに実施上の留意点を中心に解説する.

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