Japanese
English
セミナー 臨床医のための生物統計学抄説・4
メタアナリシス
Short Introduction of Biostatistics for Physicians:Meta-analysis
樋之津 史郎
1
,
大橋 靖雄
2
Shiro Hinotsu
1
,
Yasuo Ohashi
2
1東京大学医学部薬剤疫学教室
2東京大学医学部健康科学・看護学科疫学・生物統計学教室
1Pharmacoepidemiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Epidemiology and Biostatistics, School of Health Science and Nursing, Faculty of Medicine, University of Tokyo.
キーワード:
メタアナリシス
,
効果の指標
Keyword:
メタアナリシス
,
効果の指標
pp.35-40
発行日 1997年1月20日
Published Date 1997/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901963
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Ⅰ はじめに
最近の新聞報道やテレビのニュースで「ポイント」という言葉が使われていることに気がつかれているだろうか。例えば,「世論調査によれば第二次橋本内閣の支持率は50.9%で,第一次橋本内閣の9月時点の支持率に比べて9.9ポイント上昇した」といった具合である。NHKや民間放送のニュースでも同様で,選挙の投票率なども,その変化については「○○ポイント」といった表現を使っている。NHKの視聴者センターに問い合わせてみたところ,「選挙の投票率で言えば,前回の選挙で選挙権を持っていた人と,今回の選挙で選挙権を持っていた人が必ずしも同じではないことから,分母の違う2つの百分率の差を表わすのにパーセントという言葉を使うことは適当でないためにポイントという言葉を使っている」との回答を得た。ニュース報道においてさえ,割合や比を構成している分母・分子の吟味を行っているわけで,医学研究における割合や比や率についてはさらに十分注意を払うべきである。
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