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連載 医療分野におけるブロックチェーンとNFTの活用・Vol.10
分散連合学習可能なデータ流通基盤およびオミクス解析に基づく病態解明と疾患予測モデル構築
Elucidation of pathophysiological mechanisms and development of predictive models based on federated learning-compatible data sharing platform and omics-based analysis
宮川 繁
1
Shigeru MIYAGAWA
1
1大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科学
キーワード:
予測モデル
,
大動脈瘤
,
空間オミクス
,
分散連合学習
,
データ流通基盤
Keyword:
予測モデル
,
大動脈瘤
,
空間オミクス
,
分散連合学習
,
データ流通基盤
pp.693-698
発行日 2025年11月22日
Published Date 2025/11/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295080693
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現行の医学においては,治療法の決定は,データベースから古典的な統計学的手法を用いて構築されたガイドラインに基づいて行われている.しかし,罹患したすべての患者にとって,常に最善な治療法が提供されているとは言い難く,実際にガイドラインで侵襲的治療法の範疇に入っていない患者で生命を脅かすような重大なイベントを発症する症例をたびたび経験してきた.ガイドライン適応外でも治療を行うべき患者は一定数存在し,適切に治療しなければ病態の悪化,ひいては医療費の高騰につながる.この課題を解決するためには,疾患を平均化した病態として捉えているガイドラインに加えて,各患者背景を加味した「個別化医療」の導入が必要である.筆者らは新規解析技術により正確な病態情報と個人や性別の情報を掛け合わせる新しい治療概念の構築に挑戦している.本稿では,循環器疾患における分散連合学習可能なデータ流通基盤による予測モデル構築およびオミクス解析に基づく新規治療法開発に関して,まだ研究の中途であるが,可能な範囲で概説したい.

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