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第5土曜特集 細胞外小胞・エクソソームの医療応用の未来
疾患における細胞外小胞研究
肝疾患領域における細胞外小胞
The role of extracellular vesicles in liver diseases
江口 暁子
1
Akiko EGUCHI
1
1三重大学医学部附属病院バイオバンクセンター(消化器内科)
キーワード:
細胞外小胞(EV)
,
慢性肝疾患
,
MASH
,
MASLD
,
臓器相関
Keyword:
細胞外小胞(EV)
,
慢性肝疾患
,
MASH
,
MASLD
,
臓器相関
pp.704-710
発行日 2024年11月30日
Published Date 2024/11/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291090704
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肝疾患は急性と慢性に大別されるが,細胞外小胞(EV)の報告が多いのは慢性肝疾患である.慢性肝疾患として,B型・C型肝炎,メタボリック症候群と関連するMASLD,過剰なアルコール摂取によるアルコール関連肝疾患(ALD),自己免疫性肝疾患などが知られている.これらの肝疾患では,種々の因子が実質細胞(肝細胞)と非実質細胞(肝星細胞など)間のコミュニケーションに関与して肝炎,肝線維化,肝硬変へと進展させるが,この因子のひとつとしてEVが同定されている.さらに,MASLDでは脂肪組織の影響も大きく,脂肪細胞由来のEVが臓器間コミュニケーターとしてMASHへの病態進展に関与する.また,EVは血中を安定して循環する特性があり,血中のEV成分を検出することで肝内の状態を予見しうることから,バイオマーカーとしての有用性も高い.
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