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第5土曜特集 細胞外小胞・エクソソームの医療応用の未来
疾患における細胞外小胞研究
血液疾患領域における細胞外小胞
Functions of extracellular vesicles in hematological malignancies
栁谷 稜
1
,
幸谷 愛
1
Ryo YANAGIYA
1
,
Ai KOTANI
1
1大阪大学微生物病研究所感染腫瘍制御分野
キーワード:
造血器腫瘍
,
細胞外小胞(EV)
,
腫瘍微小環境
,
脂質組成
,
sPLA2
Keyword:
造血器腫瘍
,
細胞外小胞(EV)
,
腫瘍微小環境
,
脂質組成
,
sPLA2
pp.699-703
発行日 2024年11月30日
Published Date 2024/11/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291090699
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細胞外小胞(EV)は,造血器悪性腫瘍において腫瘍支持性微小環境構築や薬剤耐性に寄与するなど,病態生理と密接な関係にあることで知られる.筆者らは,エプスタイン・バールウイルス陽性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(EBV-DLBCL)の解析を通じ,EBV-DLBCLはBART(BamHI-A rightward transcript)miRNA内包EVを介してマクロファージを免疫抑制方向へ機能分化させることで抗腫瘍免疫応答から逃避すること,およびその細胞間コミュニケーションには分泌型ホスフォリパーゼA2(sPLA2)を介したEV膜の加水分解による脂質組成変化が重要であることを見出し,sPLA2阻害がEBV-DLBCLに対する有効な治療戦略であることを示した.今後,EVは造血器腫瘍において診断,治療,経過観察のすべてのフェーズにおいて臨床応用されるポテンシャルを秘めており,研究の動向を注視していく必要がある.
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