Japanese
English
特集 生体膜研究の基礎と応用
リンパ腫におけるsPLA2による脂質修飾細胞外小胞の機能
-――悪性化における新規作動メカニズム
New function of lipid modified extracellular vesicles mediated by sPLA2 in lymphoma
金森 茜
1,2
,
工藤 海
1
,
幸谷 愛
1,2
Akane KANAMORI
1,2
,
Kai KUDO
1
,
Ai KOTANI
1,2
1大阪大学微生物病研究所感染腫瘍制御分野
2東海大学医学部基盤診療学系先端医療科学
キーワード:
リンパ腫
,
脂質
,
細胞外小胞(EV)
,
分泌型ホスホリパーゼA2(sPLA2)
,
galectin binding protein
Keyword:
リンパ腫
,
脂質
,
細胞外小胞(EV)
,
分泌型ホスホリパーゼA2(sPLA2)
,
galectin binding protein
pp.841-847
発行日 2023年12月23日
Published Date 2023/12/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28711841
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
細胞外小胞(EV)はタンパク質,核酸,そして脂質を脂質二重膜に内包した小胞であり,2007年にメッセンジャーRNA(mRNA)やマイクロRNA(miRNA)の輸送体として報告されて以来,多くの研究者の注目を集めている.今日までに多岐にわたる生命現象やさまざまな疾患に関与することが明らかにされてきた.なかでもがん領域では,がん細胞による分泌量が多いことから生理的な意義も高く,さまざまな組織型のがんにおいてEVが腫瘍進展,微小環境構築に利用されることが明らかになっている.血液がんのひとつである悪性リンパ腫も例外ではなく,EVが病態進展に深く関与するという報告が数多くなされている.本稿では,筆者らが悪性リンパ腫のなかでも予後不良な組織型であるエプスタイン・バールウイルス(EBV)陽性リンパ腫におけるEV研究から見出したEVの “脂質” を介した新規作動メカニズム,そして発がんメカニズムについて紹介する.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.