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特集 腫瘍と糖鎖――糖鎖の基礎研究から腫瘍の分子標的同定に向けて
細胞外小胞の糖鎖情報からみえてきたがんとの関連
Glycans of extracellular vesicles in cancers
原田 陽一郎
1
Yoichiro HARADA
1
1大阪国際がんセンター研究所糖鎖オンコロジー部
キーワード:
細胞外小胞(EV)
,
N型糖鎖
,
小細胞肺がん
,
非小細胞肺がん
Keyword:
細胞外小胞(EV)
,
N型糖鎖
,
小細胞肺がん
,
非小細胞肺がん
pp.884-887
発行日 2022年5月28日
Published Date 2022/5/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28109884
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細胞外小胞(EV)はあらゆる細胞から分泌されるナノサイズの小胞であり,細胞にとって不要な分子の除去や細胞間での分子のやりとりを担う.細胞のなかでEVが作られるときにさまざまな分子が小胞の内腔や膜に積み込まれるが,そのプロファイルはがんにおいて変化する.それらのなかにはがんに共通する,あるいはがん種ごとに特徴的なものが存在することから,EVはがんのバイオマーカーとしての可能性を秘めているといえる.このようなEVの膜表面には,“細胞の顔” とたとえられる糖鎖が高度に濃縮されているが,その詳細な構造とがんとの関連はあまり知られていない.本稿では,肺がん細胞が分泌するEVには,肺がんの組織型を反映する糖鎖が濃縮されているという筆者らの最近の報告を中心に紹介するとともに,がんにおけるEV糖鎖の役割について議論する.
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