大腸癌の最新事情-防止・治癒を目指して
スクリーニングは有効か
斎藤 博
1
,
町井 涼子
,
高橋 則晃
,
雑賀 公美子
1国立がん研究センターがん予防・検診研究センター 検診研究部
キーワード:
大腸内視鏡法
,
死亡率
,
集団検診
,
潜血反応
,
大腸腫瘍
,
検便
,
精度管理
,
CTコロノグラフィー
,
腫瘍の早期診断
Keyword:
Colonoscopy
,
Mass Screening
,
Occult Blood
,
Mortality
,
Colorectal Neoplasms
,
Colonography, Computed Tomographic
,
Early Detection of Cancer
pp.759-765
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012028847
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●大腸がん検診は、便潜血検査について有効性の科学的根拠(死亡率減少効果)が確立している。●死亡率低下の実現には海外のがん検診の方法である、organized screeningの手法が必要である。●organized screeningは科学的根拠を前提に、徹底的な精度管理により検診の質を高め、受診率を高く維持することで死亡率減少を実現する仕組みで、すでに海外では乳癌および子宮頸癌の死亡率低下を多くの国で実現させている。●わが国ではorganized screeningの仕組みを欠き、精検受診率が低いなど、検診の質はまだきわめて不十分である。最近がん検診チェックリストなど、評価指標の設定をはじめ、体制構築が始まり、今後の改善が期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2011