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第5土曜特集 小児医療の最先端
臨床編
新生児マススクリーニングによる原発性免疫不全症の診断と治療
Diagnosis and treatment of primary immunodeficiency using newborn screening
谷田 けい
1
,
今井 耕輔
2
Kay TANITA
1
,
Kohsuke IMAI
2
1東京医科歯科大学小児科
2防衛医科大学校小児科
キーワード:
重症複合免疫不全症(SCID)
,
B細胞欠損症(BCD)
,
原発性免疫不全症(PID)
,
新生児スクリーニング(NBS)
,
脊髄筋萎縮症(SMA)
,
T細胞受容体遺伝子再構成断片(TREC)
,
Igκ鎖遺伝子再構成断片(KREC)
Keyword:
重症複合免疫不全症(SCID)
,
B細胞欠損症(BCD)
,
原発性免疫不全症(PID)
,
新生児スクリーニング(NBS)
,
脊髄筋萎縮症(SMA)
,
T細胞受容体遺伝子再構成断片(TREC)
,
Igκ鎖遺伝子再構成断片(KREC)
pp.378-384
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205378
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原発性免疫不全症(PID)は生まれつき,病原体を排除するために働く免疫機構が破綻したことにより易感染性や炎症,自己免疫疾患,リンパ増殖症などを発症する疾患群であり,なかでもT細胞欠損の重症複合免疫不全症(SCID)とB細胞欠損症(BCD)は重症であり,早期の発見,治療が望まれる.新生児スクリーニングは,発症前には診断が困難な,治療可能な希少疾患について出生児全員に検査を行い,有効な治療につなげるものである.T細胞受容体遺伝子再構成断片(TREC),Igκ鎖遺伝子再構成断片(KREC)の定量法の発見と実用化により,SCID,BCDのスクリーニングが可能になり,世界各国で取り組まれている.日本でも国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究班を中心に,導入が進み,全出生児の20%以上が検査を受け,SCID,BCD,脊髄性筋萎縮症(SMA)患者が発見され,有効な治療につながっている.今後は,全国の新生児に公費検査として適用されることと,他疾患への対象拡大が期待される.
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