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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
副甲状腺とカルシウムミネラル代謝
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症とリン感知機構
FGF23-related hypophosphatemic rickets/osteomalacia and phosphate-sensing mechanisms
髙士 祐一
1
Yuichi TAKASHI
1
1福岡大学医学部内分泌・糖尿病内科学講座
キーワード:
線維芽細胞増殖因子23(FGF23)
,
リン
,
くる病・骨軟化症
,
FGF受容体1(FGFR1)
Keyword:
線維芽細胞増殖因子23(FGF23)
,
リン
,
くる病・骨軟化症
,
FGF受容体1(FGFR1)
pp.716-721
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090716
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リンは生体に必要不可欠なミネラルであり,主にハイドロキシアパタイトの構成成分として骨や歯といった硬組織の形成に寄与している.血中リン濃度は厳密に制御されており,低リン血症は骨石灰化障害からくる病・骨軟化症を引き起こす.線維芽細胞増殖因子23(FGF23)は血中リン濃度の調節に中心的な役割を担うホルモンであり,FGF23の作用過剰は低リン血症性くる病・骨軟化症の原因となる.近年,FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症に対して,抗FGF23抗体を用いた新規治療法が登場し,当該分野のトピックとなっている.一方,骨がどのように血中リン濃度を感知して血中FGF23濃度を調節しているのかについては長らく不明であった.本稿では,FGF23とリン代謝に関するこれまでの知見を整理し,FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の診断と治療について概説した.骨におけるリン感知機構の解明に関する研究は重要であり,FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の理解と治療に新たな道を開く可能性がある.
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