特集 ホルモンによる骨代謝の制御
3.カルシウム・リン代謝から見た骨代謝調節(3)FGF23
髙士 祐一
1
1徳島大学先端酵素学研究所糖尿病臨床・研究開発センター
キーワード:
線維芽細胞増殖因子23
,
リン
,
くる病・骨軟化症
,
腫瘍状石灰沈着症
,
CKD-MBD
Keyword:
線維芽細胞増殖因子23
,
リン
,
くる病・骨軟化症
,
腫瘍状石灰沈着症
,
CKD-MBD
pp.137-144
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000200
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線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor;FGF)23 は,生体のリン代謝調節に中心的な役割を果たす骨産生ホルモンである.リンはハイドロキシアパタイトの構成成分として,骨石灰化に必須のミネラルである.FGF23 の作用が過剰となると低リン血症を呈し,くる病・骨軟化症が惹起される.一方,FGF23 の作用が障害されると高リン血症を呈し,腫瘍状石灰沈着症が惹起される.また,慢性腎臓病(chronickidney disease;CKD)では,早期よりFGF23 が上昇し,CKD-MBD(CKD-mineraland bone disorder)の病態形成に関与する.以上のように,FGF23 を介したリン代謝制御は,正常な骨代謝調節に必須の機構である.FGF23 による低リン血症性くる病・骨軟化症に対して新規治療薬が登場するなど,FGF23 に関する研究・開発は進歩が著しい.
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