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連載 自己指向性免疫学の新展開――生体防御における自己認識の功罪・Vol.8
RNA修飾破綻による自己指向性免疫応答
RNA modifications control inflammatory response against self-RNA
吉永 正憲
1
Masanori YOSHINAGA
1
1京都大学大学院医学研究科医化学分野
キーワード:
RNAメチル化
,
RNA編集
,
炎症応答
,
インターフェロン(IFN)
Keyword:
RNAメチル化
,
RNA編集
,
炎症応答
,
インターフェロン(IFN)
pp.605-609
発行日 2024年8月24日
Published Date 2024/8/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290080605
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SUMMARY
ウイルスなどに由来する外来のRNAは自然免疫系の活性化を誘導する主要な物質のひとつである.しかしながら,RNAは宿主にとっても必須の物質であり普遍的に存在することから,RNAの “自己” ・ “非自己” をどのように区別しているか理解することは免疫学的に重要な課題のひとつである.近年,内在性RNAの転写後にメチル化などのさまざまな修飾が付加されること,加えて,このような転写後修飾が自然免疫受容体による認識回避に重要な役割を果たすことが明らかになってきた.また,ヒトにおいて転写後修飾機構が破綻すると異常な自己指向性免疫応答につながることも報告されている.本稿では,代表的な転写後修飾機構であるキャップ構造,RNA編集およびm6Aメチル化修飾に焦点を当て,これらの機構が自己指向性免疫応答の回避に果たす役割について議論したい.
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