特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
4.トリ
ハトの遅延反応における指向性忘却
実森 正子
1
1千葉大学文学部認知情報科学講座
pp.528-529
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900821
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目標
比較的短い記憶保持が要求される課題場面で,課題解決に必要な情報を積極的に保持し,不必要な情報を忘却する事実を指向性忘却という。単に時間が経過したために生じる忘却ではなく,不必要な情報に対しては,それを積極的に保持する活動が停止されたために生じる忘却で,課題解決場面に関与する能動的な記憶過程を反映すると考えられている。
情報を積極的に保持する活動,いわゆるリハーサルを動物は行うのか,またリハーサルが行われるとするならば,それがどのような環境条件によって制御されるのかなどを分析することによって,動物の能動的な記憶過程の検討が可能になる。
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