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特集 B型肝炎ウイルスに対する飽くなき挑戦
B型肝炎治療の現状と問題点
-――長期核酸アナログ治療の効果と問題点
Long-term outcome and problem of nucleos(t)ide analogue treatment for chronic hepatitis B patients
鈴木 文孝
1
Fumitaka SUZUKI
1
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院肝臓センター
キーワード:
B型肝炎ウイルス(HBV)
,
核酸アナログ
,
エンテカビル
,
テノホビル
,
インターフェロン(IFN)
Keyword:
B型肝炎ウイルス(HBV)
,
核酸アナログ
,
エンテカビル
,
テノホビル
,
インターフェロン(IFN)
pp.233-237
発行日 2022年4月16日
Published Date 2022/4/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28103233
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B型慢性肝疾患における治療の短期目標は,ALT値の正常化,B型肝炎ウイルス(HBV)DNA量の低値,HBe抗原の陰性化が持続的に認められることである.長期目標はHBs抗原の陰性化であり,肝炎の沈静化とともに肝発癌率の低下,さらには核酸アナログ製剤では治療の終了が可能となる.このような目標を達成するために,B型慢性肝炎に対する治療として,インターフェロン(IFN)療法および核酸アナログ製剤による治療が行われている.核酸アナログ製剤は,ALT値の正常化,HBV DNA量の陰性化率は高いが,HBs抗原の陰性化率は低いため,長期投与が行われている.副作用中止はまれであるが,薬剤耐性ウイルスによるウイルスの再燃を起こす症例が少数ではあるが存在するため,注意を要する.一方,核酸アナログ治療例に対するIFNとの併用療法は,HBs抗原の陰性化を達成する可能性がある治療法である.どのような症例で効果が高いか,今後の検討を要する.
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