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連載 緩和医療のアップデート・Vol.16
精神症状(不眠,抑うつ,不安)エビデンスアップデート
-――変遷:今や,第一選択は “非薬物” 治療の時代へ,そしてDX
Evidence updates on psychiatric symptoms(insomnia, depression, emotional distress)
――Transition:now era the first choice is “non-drug” treatment, and DX
大谷 弘行
1,2
Hiroyuki OTANI
1,2
1聖マリア病院
2九州がんセンター
キーワード:
精神症状
,
がん
,
ガイドライン
,
非薬物治療
,
スマートフォン
Keyword:
精神症状
,
がん
,
ガイドライン
,
非薬物治療
,
スマートフォン
pp.599-604
発行日 2024年8月24日
Published Date 2024/8/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290080599
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◎かつてわれわれは,がん患者の不眠,不安,抑うつ(中等度まで)に対して,薬剤の力を信じ向精神薬を処方してきた.しかし,時代は変わった.非薬物治療(心理社会的介入)が薬物療法よりも優れていることが,米国臨床腫瘍学会(ASCO)ガイドラインで明らかとなった.“不眠” に対しては,「フリップ・フロップ・スイッチ(シーソーモデル)」を意識したベンゾジアゼピン系睡眠薬ではない “非薬物治療” が求められる(「概日調節系」「恒常性調節系」「覚醒維持系」).そして,“不安,抑うつ” に対しては,新時代を思わせる出来事として,スマートフォンを介した心理療法「解決アプリ」「元気アプリ」の研究が,腫瘍学領域のトップジャーナルである『Journal of Clinical Oncology』に掲載された.今後は,固定観念にとらわれない,認知行動療法などをベースとした “非薬物治療” の開発が求められる.さらに,ヨガ,催眠,音楽療法も選択肢である(ASCOガイドライン推奨の強さ:中).
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