Japanese
English
特集 認知症・神経変性疾患の克服への挑戦
Ⅲ.新たな技術開発によるチャレンジ
ALSの遺伝子治療─分子病態解明から治療へ
Mechanism-based gene therapy for ALS
山下 雄也
1
,
郭 伸
1,2
Yamashita Takenari
1
,
Kwak Shin
1,2
1東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター臨床医工学部門
2国際医療福祉大学臨床医学研究センター
キーワード:
筋萎縮性側索硬化症
,
ALS
,
遺伝子治療
,
RNA編集
,
ADAR2
,
TDP-43
Keyword:
筋萎縮性側索硬化症
,
ALS
,
遺伝子治療
,
RNA編集
,
ADAR2
,
TDP-43
pp.323-328
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200462
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筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS)は,運動ニューロンが進行性に変性・脱落する致死性の神経難病であり,根本治療法がまだない。筆者らは孤発性ALSに焦点を絞り,これまで研究を進め,AMPA受容体サブユニットであるGluA2の,Q/R部位のRNA編集異常が疾患の原因になることを突き止めた。この異常は,RNA編集酵素の発現低下により引き起こされるため,アデノ随伴ウイルス(adeno-associated virus;AAV)を用いてこのRNA編集酵素遺伝子を投与し,発現量を回復させる治療法を試みた。本稿では,ALSの遺伝子治療法の現状と筆者らが開発した遺伝子治療法について概説する。
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