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連載 自己指向性免疫学の新展開――生体防御における自己認識の功罪・Vol.30
自然免疫応答における自己・非自己RNAの認識
Self vs. non-self discrimination in innate immunity
加藤 一希
1
Kazuki KATO
1
1東京科学大学総合研究院免疫機構研究ユニット
キーワード:
ウイルス
,
自然免疫応答
,
cGAS-STING経路
,
RIG-I様受容体(RLR)
Keyword:
ウイルス
,
自然免疫応答
,
cGAS-STING経路
,
RIG-I様受容体(RLR)
pp.251-253
発行日 2025年4月19日
Published Date 2025/4/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293030251
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SUMMARY
ウイルスや細菌といった病原体由来の核酸(DNAやRNA)は,自然免疫にとって極めて重要なシグナルである.病原体の核酸と宿主由来の核酸はその分子構造が類似しているにもかかわらず,われわれの細胞は病原体由来の核酸を「非自己」として感知し,強力な自然免疫シグナル伝達経路を誘導することができる.細胞質のウイルス由来RNAに対しては,RIG-I様受容体(RLR)が認識・免疫応答を担う.最近の研究により,ウイルス核酸の認識と自然免疫応答の活性化に対する多数の制御機構が明らかになってきた.本稿では,RLRを介した細胞質RNAに対する「自己」vs.「非自己」認識,および免疫応答の制御メカニズムについて記述する.

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