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第1土曜特集 MASLD/MASH――研究と診療の最新情報
疾患概念・診断・フォローアップ
MASLD/MASHの疫学と自然史
Epidemiology and natural history of MASLD/MASH
中塚 拓馬
1
Takuma NAKATSUKA
1
1東京大学医学部附属病院消化器内科
キーワード:
肝線維化
,
肝癌
,
肝不全
,
心血管イベント
,
他臓器癌
Keyword:
肝線維化
,
肝癌
,
肝不全
,
心血管イベント
,
他臓器癌
pp.315-320
発行日 2024年5月4日
Published Date 2024/5/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28905315
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MASLD(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)は全世界の成人人口の約30%が罹患しており,慢性肝疾患の主要な原因となった.肥満人口の増加に伴い,世界的にその有病率は上昇の一途をたどっている.比較的肥満者の少ないアジアにおいても有病率は約30%に達し,日本においても約25%の有病率が報告され,経時的に増加傾向にある.MASLD/MASH(metabolic dysfunction-associated steatohepatitis)の予後においては,肝癌や肝不全といった肝関連イベントの発生のほか,肝以外の他臓器癌や心血管イベントの発生も重要な因子である.肝線維化は予後を規定する最も重要な要素であるが,MASLDは肝臓に限定される疾患ではなく,全身の代謝異常が反映された病態であるとの認識が必要である.したがって,肝臓内外の病態進行を意識した介入が必要である.
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