特集 肝疾患治療の最新動向 ―新薬の情報とともに
3.本邦の実態を踏まえた代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)診療 ―MASLD薬物療法における将来的な展望
芥田 憲夫
1
1虎の門病院肝臓内科
キーワード:
肝癌
,
心血管イベント
,
肝外悪性疾患
,
非侵襲的検査
,
レスメチロム
,
セマグルチド
Keyword:
肝癌
,
心血管イベント
,
肝外悪性疾患
,
非侵襲的検査
,
レスメチロム
,
セマグルチド
pp.1433-1440
発行日 2025年10月20日
Published Date 2025/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003675
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MASLDは常に全身疾患としての広い視野に立った診療を行う必要がある.消化器専門家は肝癌ハイリスク症例を非侵襲的診断で拾い上げることが重要である.プライマリーケアではFIB-4 indexや血小板数,専門家ではエラストグラフィやELF testで評価する.治療として推奨されている食事運動療法ではBMIを基準にした体重減量目標が設定された.2024年,初の薬物療法としてレスメチロムが米国で承認された.さらに,セマグルチドの第Ⅲ相臨床試験の良好な成績が報告されるなど新薬の登場が期待されている.一方,心血管イベントや肝外悪性疾患にも常に気を配る必要があり,年齢に応じたスクリーニングの啓発が必要となる.心血管イベント抑制作用を有する糖尿病治療薬の併用を視野に入れた治療戦略も今後期待される.

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