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第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学の理論と実践
ロングリードシークエンス技術と難病ゲノム解析
Utility of long-read sequencing for rare genetic diseases
水口 剛
1
,
松本 直通
1
Takeshi MIZUGUCHI
1
,
Naomichi MATSUMOTO
1
1横浜市立大学大学院医学研究科遺伝学
キーワード:
ロングリードシークエンス(LRS)
,
構造多型(SV)
,
リピート伸長変異
,
Pacific Biosciences(PacBio®)
,
Oxford Nanopore Technologies(ONT)
Keyword:
ロングリードシークエンス(LRS)
,
構造多型(SV)
,
リピート伸長変異
,
Pacific Biosciences(PacBio®)
,
Oxford Nanopore Technologies(ONT)
pp.1049-1056
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131049
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次世代ショートリードシークエンス(SRS)を用いた解析により,希少遺伝性疾患患者の30~50%に病的バリアントが同定される.しかし,いまだ半数以上は原因が未同定である.この事実は,現在の遺伝学的解析法では技術的に検出できない病的バリアントが潜在することを示唆する.新規解析技術であるロングリードシークエンス(LRS)は,ゲノム難読領域の解読が可能で,これまでのゲノム解析で “見逃されてきたバリアント” を明らかにすることが期待できる.一方で,コスト,データ出力,エラー率,ゲノム情報解析系の点において発展途上の技術といえる.近年,フローセルやシークエンス試薬の改良,後継機種の登場により,これらの弱点が改善され,医学研究へ応用が活発となってきた.本稿では,2つの原理の異なるLRS〔Pacific Biosciences(PacBio),Oxford Nanopore Technologies(ONT)〕を用いた難病ゲノム解析について概説する.
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