Japanese
English
第1土曜特集 自然リンパ球の生理と病理
ILC2と循環器疾患
ILC2 and cardiovascular diseases
生谷 尚士
1
,
中江 進
1
Masashi IKUTANI
1
,
Susumu NAKAE
1
1広島大学大学院統合生命科学研究科
キーワード:
インターロイキン-33(IL-33)
,
好酸球
,
アテローム性動脈硬化症
,
心筋梗塞
,
肺動脈性肺高血圧症(PAH)
Keyword:
インターロイキン-33(IL-33)
,
好酸球
,
アテローム性動脈硬化症
,
心筋梗塞
,
肺動脈性肺高血圧症(PAH)
pp.23-27
発行日 2024年1月6日
Published Date 2024/1/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2880123
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2型自然リンパ球(ILC2)が発見され,アレルギーの発症機序や寄生虫感染防御における理解が飛躍的に深まってきた.感染防御や組織修復を担うILC2は,粘膜関連組織や皮膚に機能的に配備されているが,想像以上に幅広く生体に分布していることが明らかとなってきた.各組織での役割の探索がはじまり,肥満やがん,心血管疾患などでの関与も報告されており,ILC2の重要性はますます高まっている.ILC2の制御にはサイトカインが肝心であるが,特にインターロイキン-33(IL-33)はその制御の中軸を担う.このIL-33-ILC2システムは,循環器疾患において,抗炎症作用や治癒に貢献する一方で,血管病態の増悪にも関わる.ここでは特に,アテローム性動脈硬化症と心筋梗塞,そして肺動脈肥厚および肺動脈性肺高血圧症(PAH)との関わりについて紹介したい.
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