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第1土曜特集 自然リンパ球の生理と病理
治療標的としてのILC2の可能性
ILC2s as potential therapeutic targets
中島 裕史
1
Hiroshi NAKAJIMA
1
1千葉大学大学院医学研究院アレルギー・臨床免疫学
キーワード:
2型自然リンパ球(ILC2)
,
ILC2標的治療
,
気管支喘息
,
アトピー性皮膚炎
,
食物アレルギー
Keyword:
2型自然リンパ球(ILC2)
,
ILC2標的治療
,
気管支喘息
,
アトピー性皮膚炎
,
食物アレルギー
pp.72-77
発行日 2024年1月6日
Published Date 2024/1/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2880172
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2型自然リンパ球(ILC2)は,インターロイキン-5(IL-5)やIL-13などの2型サイトカインを産生することで寄生虫の駆除,アレルギー反応,組織修復,代謝などに重要な役割を果たしている.ILC2の活性化はIL-33,IL-25,TSLP(thymic stromal lymphopoietin)などの上皮細胞由来サイトカインや脂質メディエーター,ホルモン,神経ペプチドなどの周囲微小環境に存在する内因性因子によって制御されている.近年の研究により,ILC2は気管支喘息,アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の病態形成に関与することが示唆されており,治療標的として注目されている.一方で,ILC2が炎症後の組織修復や恒常性の維持に関与するとの報告も増加しており,ILC2を標的とした治療法開発には注意を要する.
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