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第1土曜特集 自然リンパ球の生理と病理
ILC2と疲弊
Exhausted-like dysfunction and activation-induced cell death of ILC2s
海老原 敬
1,2
,
山田 俊樹
3
Takashi EBIHARA
1,2
,
Toshiki YAMADA
3
1秋田大学大学院医学研究科微生物学講座
2同感染統括制御・疫学・分子病態研究センター感染分子病態研究部門
3同大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
キーワード:
疲弊様ILC2
,
活性化による細胞死
,
慢性アレルギー炎症
Keyword:
疲弊様ILC2
,
活性化による細胞死
,
慢性アレルギー炎症
pp.43-47
発行日 2024年1月6日
Published Date 2024/1/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2880143
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2型自然リンパ球(ILC2)は,IL-33などのアラーミンにより活性化し,高い2型サイトカイン(IL-5やIL-13など)産生能を維持したまま,非常によく増殖する.たとえば,試験管培養では活性化状態を維持したままセルライン化する.生体内の応答でも,慢性アレルギー炎症によりILC2は炎症に伴い増加する.生体内では空間的制限があるため,活性化しすぎたILC2を除去するシステムが想定されるが,今までそのような現象は見つかっていなかった.筆者らは,過剰に活性化したILC2は抑制性分子のTIGIT(T cell immunoreceptor with Ig and ITIM domains)を発現し,“疲弊様” 機能低下を呈すること,TIGITを発現したILC2はマクロファージとの相互作用により生体内から除去されることを明らかにした.そして,この現象をILC2のAICD(activation-induced cell death)と名づけた.
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