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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
基礎
アルツハイマー病の病理変化とリスク因子としての糖尿病
Diabetes mellitus as a risk factor for Alzheimer’s pathology
若林 朋子
1
Tomoko WAKABAYASHI
1
1明治薬科大学病態生理学研究室
キーワード:
アルツハイマー病(AD)
,
糖尿病
,
アミロイドβ(Aβ)
,
インスリンシグナル
Keyword:
アルツハイマー病(AD)
,
糖尿病
,
アミロイドβ(Aβ)
,
インスリンシグナル
pp.893-897
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28713893
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アルツハイマー病(AD)の発症や病態の進展には,さまざまな生活習慣関連因子が関与している.2型糖尿病はそのリスク因子のひとつであり,ADとの関連についてエビデンスが集積されつつある.背景にある機序として,ADに特有の神経病理学的変化であり,発症に密接に関わるアミロイドβ(Aβ)の蓄積に糖尿病が影響を及ぼす可能性が示唆されている.また,糖尿病の中核的な病態であるインスリン抵抗性はAD患者脳においても認められるとされ,両疾患の相互作用を理解するうえでインスリンシグナルの障害がひとつの鍵となっているが,メカニズムについては未解明の点は多い.本稿では,ADのリスク因子としての糖尿病に焦点をあて,病態メカニズムについて最近の知見を交えて概説する.
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