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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
画像・AI
アルツハイマー病とデータサイエンス
-――データ活用によるプレクリニカルAD研究促進
Facilitation of trial-ready cohort study by data analysis
佐藤 謙一郎
1
Kenichiro SATO
1
1東京大学医学部附属病院早期探索開発推進室,同大学院医学系研究科神経病理学
キーワード:
アルツハイマー病(AD)
,
治験即応コホート(trial-ready cohort)
,
J-TRC
,
プレクリニカル期
Keyword:
アルツハイマー病(AD)
,
治験即応コホート(trial-ready cohort)
,
J-TRC
,
プレクリニカル期
pp.991-995
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28713991
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アルツハイマー病(AD)の治療薬開発促進のため,AD前病段階として脳にアミロイドβ(Aβ)蓄積がはじまっているが,まだ認知機能低下をきたしていない “プレクリニカルAD” に該当する治験参加希望者をあらかじめ組み入れた治験即応コホート(trial-ready cohort)を形成するという産学連携の取り組みが行われている.わが国では,2019年からJapanese Trial-Ready Cohort(J-TRC)研究が開始されている.本稿では,J-TRC研究をデータ分析によって促進する試みとして行った,①機械学習によるアミロイド予測,②データ分析による広報活動の合理化について述べる.まず①では,ウェブ登録者のなかからアミロイドPET陽性である可能性が高い被験者を別の治験スクリーニングデータを基に作成した予測モデルを適用することで抽出し,対面検査への招待順位付けの参考として利用することで,招待過程における選定作業の効率化,また基準の一貫性につなげることができた.続いて②では,当初の1年弱の間に行われた新聞広報,ウェブ広告など複数の広報手段についてウェブサイト訪問数,登録者数獲得の効果を推定し,費用対効果を算出した.結果として新聞広告が最も効果的という結論になり,以後の広報活動の合理化につなげることができた.
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