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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
臨床・治療薬
アルツハイマー病の行動・心理症状
Behavioral and psychological symptoms of dementia in Alzheimer’s disease
數井 裕光
1
Hiroaki KAZUI
1
1高知大学医学部神経精神科学講座
キーワード:
アルツハイマー病(AD)
,
認知症の行動・心理症状(BPSD)
,
評価尺度
,
治療法
,
認知症ちえのわnet
Keyword:
アルツハイマー病(AD)
,
認知症の行動・心理症状(BPSD)
,
評価尺度
,
治療法
,
認知症ちえのわnet
pp.1088-1093
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu287131088
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認知症の行動・心理症状(BPSD)とは,認知症患者に認められる妄想,抑うつなどの心理症状や,焦燥,興奮,徘徊などの行動症状を包括した概念である.アルツハイマー病(AD)では無関心・無為が最も多く,興奮,妄想なども比較的多い.BPSDの治療としては非薬物療法と薬物療法とがある.非薬物療法は,介護者による行動マネジメント技術の習得が重要である.筆者らが開発した “認知症ちえのわnet” ではさまざまなBPSDに対する対応法の奏功確率を公開しており,家族が適切な対応を実践する際に役立つと考えている.薬物療法としては,AD治療薬にも無関心,妄想などに対する有効性が報告されている.しかし妄想,焦燥性興奮などに対して非定型抗精神病薬の使用が必要となることもある.ただし投与の際には,これらの薬剤がBPSDに対する保険適用を有していないことや有害事象などを,本人と介護者に説明したうえで慎重に投与する姿勢が大切である.
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