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第1土曜特集 神経変性疾患の分子病態解明と治療法開発
疾患別の最新研究
新時代を迎えたアルツハイマー病の治療法開発
-――抗アミロイド療法を中心に
A new era in the development of treatments for Alzheimer’s disease
――Focusing on anti-amyloid therapy
小野 賢二郎
1
Kenjiro ONO
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系脳神経内科学
キーワード:
アルツハイマー病(AD)
,
アミロイド仮説
,
アミロイドβ(Aβ)
,
レカネマブ
,
ドナネマブ
Keyword:
アルツハイマー病(AD)
,
アミロイド仮説
,
アミロイドβ(Aβ)
,
レカネマブ
,
ドナネマブ
pp.690-695
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292090690
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アルツハイマー病(AD)の免疫療法では,近年,モノクローナル抗体を用いた受動免疫療法の臨床試験が数多く進められてきた.プロトフィブリルやプラークといった分子量の大きいアミロイドβ(Aβ)凝集体をターゲットとするレカネマブ,ドナネマブといった抗アミロイド抗体の認知機能および脳内アミロイド沈着減少に対する有効性が示されたものの,他の抗アミロイド抗体は十分な有効性を明らかにできなかった.一方で,アミロイド関連画像異常(ARIA)の発現に注意する必要があり,アポリポタンパクE(APOE)ε4ホモ接合体保有者では非保有者の3倍以上の発現が報告されている.経口薬であるALZ-801ではARIAの発現は報告されておらず,現在,APOEε4ホモ接合体を有する早期AD患者を対象に臨床第Ⅲ相試験が進行中である.

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