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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
臨床・治療薬
アルツハイマー病症候改善薬の開発と将来像
Development and future perspectives of symptomatic treatment drugs for Alzheimer’s disease
本間 昭
1
Akira HOMMA
1
1お多福もの忘れクリニック
キーワード:
アルツハイマー病(AD)
,
症候改善薬
,
治療目標
Keyword:
アルツハイマー病(AD)
,
症候改善薬
,
治療目標
pp.1065-1068
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu287131065
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アルツハイマー病(AD)の症候改善薬による治療が世界標準となってから10年以上が経過し,最近では疾患修飾薬の上市が話題になることも多い.本稿では,症候改善薬による治療の意味と目的について症例をあげた.症候改善薬はADの標準的な薬物療法のひとつとなっているが,治療上の課題のひとつに薬物療法による効果を確かめる方法がいまだ確立されていないことがある.疾患修飾薬による治療が標準的な治療方法のひとつとなったとしても,進行性の経過をたどるADの治療効果をどのように判断するかは同様に大きな課題となる.いずれにしても治療の目標を考えた場合に “生活” がキーワードとなる.この目標が十分に関係者間で認識されているとは言い難い地域もいまだ少なくない.2004年に痴呆症の呼称が認知症と変わったときには官民あげて熱心な啓発が行われたが,2023年は認知症基本法が制定され,疾患修飾薬の上市が話題になったまさに記念すべき年になる.この時期にこそ改めて治療の意味を考えてみるいい機会だと思う.
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