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連載 医療システムの質・効率・公正――医療経済学の新たな展開・Vol.19
医療におけるQOL測定の新たな展開
New developments in QOL measurement in healthcare
山本 洋介
1
Yosuke YAMAMOTO
1
1京都大学大学院医学研究科医療疫学分野
キーワード:
健康関連QOL
,
患者立脚型アウトカム
,
包括的尺度
,
疾患特異的尺度
Keyword:
健康関連QOL
,
患者立脚型アウトカム
,
包括的尺度
,
疾患特異的尺度
pp.853-857
発行日 2023年12月23日
Published Date 2023/12/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28711853
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Summary
現代社会において,患者はもとより一般住民のQOLを重視する風潮はもはや当たり前のこととなった.健康関連QOL尺度は多数開発され,その多さは選択に困るほどであり,QOL測定・評価を取り巻く環境は現在十分に整っているかのように見える.しかし,研究として測定する機会は増えてきたとはいえ,実際の臨床現場で医療者が自発的に日々の診療行為の一環として測定を行い,臨床の意思決定に活用することが十分に行われているとは言い難い.すなわち,臨床現場や社会での普段使いのハードルの高さが “最後の1マイル” となり,QOLの活用を決定的に阻んできた.QOLの未来は,いかに研究のみならず臨床現場で広く用いられるか,そしてその結果を,重要な医療情報として医療者・患者・一般住民に認識してもらえるか,にかかっている.本稿では,現場で広く活用してもらうために必要不可欠ともいえる,負担の少ないQOL評価を実現するためにこれまで進められてきた研究を紹介する.
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