Japanese
English
TOPICS 公衆衛生
ICT機器利用における健康障害とその予防
Health disorders and their prevention by the use of ICT devices
立道 昌幸
1
Masayuki TATEMICHI
1
1東海大学医学部基盤診療学系衛生学公衆衛生学
pp.851-852
発行日 2023年12月23日
Published Date 2023/12/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28711851
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VDT症候群とICT機器利用
1980年頃,モニターを監視する作業,プログラミング,CAD・CADM,入力作業など特殊な業務に従事するごく一部の労働者には,VDT(visual display terminal)症候群という眼精疲労,頸肩腕症(首や肩の痛み),腰痛などを主な症状とする健康障害が労働問題となっていた.それが,1995年以降,Windows95の普及に伴いPCは一人一台の時代になり,さらに2007年にスマートフォンが世にでて,眼の環境は一変した.ほとんどのヒトは,起床時間中バックライトに照らされた画面を見る時代となり,さらにコロナ禍で進んだオンライン会議で,ほぼ1日中画面を凝視する労働環境になった.これは,大げさな意味で,数十万年の間,間接光に照らされている物体を見ていた人類の眼をとりまく環境が,たった30年で直接光の凝視へと激変したことを意味する.
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