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教育講座
Quality of Life(QOL)
Quality of Life(QOL)
高橋 秀寿
1
,
関 勝
2
Hidetoshi Takahashi
1
,
Masaru Seki
2
1埼玉医科大学国際医療センター運動呼吸器リハビリテーション医学教室
2神奈川県立保健福祉大学
キーワード:
quality of life
,
QOL
,
自立生活運動
,
パラリンピック
,
健康関連QOL
Keyword:
quality of life
,
QOL
,
自立生活運動
,
パラリンピック
,
健康関連QOL
pp.1174-1180
発行日 2020年12月18日
Published Date 2020/12/18
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
クオリティ・オブ・ライフ(quality of life:QOL)とは,一般に,人生の内容の質や社会的にみた“生活の質”あるいは“人生の質”のことを指す.どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り,人生に幸福を見出しているか,ということを尺度として捉える概念である.人は生を受けこの世に生まれたとき,誰であっても,人間として生きていく尊厳を尊重され,そして,人間として生きる喜びを享受することを許されている.結果として受けた生命の長短や障害の有無にかかわらず,あるいは,結果として受けた人生の苦楽の深さにかかわらず,尊厳と喜びを追求することは,人間誰もが平等に許されている権利といえる.“人生をよく生きること”は,古くから人間が追求してきた命題であった1).QOLの「幸福」とは,生きがい,身心の健康,良好な人間関係,やりがいのある仕事,快適な住環境,十分な教育,レクリエーション活動,レジャーなどさまざまな観点から計られる.
一方,QOLは,健康や生活に直結した内容,すなわち,身体面,心理面,社会面,役割・機能面だけでなく,生存の質にかかわるスピリチュアリティ(spirituality:宗教的,霊的,実存的)などの複数の要素が含まれている(多要素性,多次元性)2) (図1).また,QOLを理解するのに上記の多要素性と並んで重要な要素は「主観性」である.QOLは人々の主観的な認識により成り立っている「心理量」である.自然科学は一般に客観性(第三者評価)を重視するが,QOLの正確な把握には,主観的な心理量をいかに信頼性が高く,かつ的確に把握するかが重要である.
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